読書感想文


20090510 //
20090604 //
20090621 //
20090721 //
20090811 //
20090908 //
20091105 //
20100203 //
20100220 //
20100318 //
20100330 //


20090510 //

■「アレグリアとは仕事できない」
津村紀久子さんの本。結構最近出版された本じゃないかと思います。
タイトルもさることながら内容も面白い! 読んでるほうもコピー機にイラつく!! アレグリアというコピー機とそれを取り巻く社内の人間関係の話なんですが、とにかくコピー機にモヤモヤします。似たような経験は誰しもあるかと思うんですが(少なくとも私はあるぞ!)、コピー機ムカつく!!(笑)
この作者さんの書き方は好きです。同時収録されているもう一つのお話なんか特にそうなんだけど、くだらないことを延々と考え続けるような本っていいなと思う。読んでいる方は、この登場人物たちって平和だなって思うんだけど、話の中の人々は一生懸命試行錯誤していて常に必死。その温度差が好きです。こんなにくどくど思案を巡らせていても話がクドくなっていない所がこの作者さんの巧いところなんだなぁと思います。ファンになりそう!

■「デモナータ 7幕 死の影」
やっと読みました。
相変わらず、おじさんはヘタレすぎてどうしよう! まあ、ビルEを愛してんのは分かるんだけどさ。心身ともに病み具合がハンパではない、早く誰かおじさんを癒してあげて。
ベック視点の巻なのですが、ミーラとの女の子同士の会話が今回の見所だと思ってます。可愛いよベック……女の子すぎる。
いつもより少しばかり展開が急のような気がしますが、まさかのラスト30ページは見所です。

■「ストロベリーナイト」
警視庁捜査一課の警部補を主役にしたサイコサスペンス。主人公が女性だけに、職場での気苦労・差別・特権がとても細かく描写されています。警察機関好きとしては、聞き込み調査の段取りが事細かに描かれているところが参考になる(何の)。
ただ、内容的には少々納得の行かない部分がありました;大どんでん返しが突飛過ぎてついていけなかったり、ヒロインと恋愛関係にある刑事との話の結末のオチがないのは寂しい……。何より途中から主役が摩り替わっちゃった感が否めないんです。出だしは素晴らしかったのになぁ……。
この作品の魅力は話の内容よりも、警察組織の動向が精密に描写されていることと、ギャグ要素だと思います。



20090604 //

■「猫と庄蔵と二人のおんな」
我らが(?)谷崎潤一郎氏の中編小説。この人は毎回、目の付け所が溜まらないですね。
今回も美しい女に傅く男の話には代わりなんですが、その『女』というのがなんと雌猫!飼い猫と主人の、あまりにも熱烈なじゃれあいは、種別を超えての愛のようで、ああもう谷崎の「愛」ってなんでもありなんだなぁ、と思いました。最終局面では皮肉などんでん返しが起こります。ぜひ一読。

■「悲しみよ、こんにちは」
フランソワーズ・サガンが19歳の時に書いた青春小説。数十年前の作品なのに、時代を超えて今でも読みつがれているロングセラーです。確かに、すごくおもしろい。
主人公のセシルの心理描写が明確でとても共感できるし、ストーリーの展開がハラハラして衝撃的でややエロティック。エロスなワードが使われていない上に、明瞭な性描写もないのに、ここまでドキドキするような恋愛を描けているところに感動しました。サガンの伝記も借りたので、それも追々読みたいです。
どうでも良いけど、19歳とか……わたしとタメやんけ。逆立ちしたってあんな上手い小説は書けない。脱帽。

■「曽根崎心中」
近松門左衛門の作品を現代語訳した一冊。江戸時代にメガヒットした浄瑠璃という大衆芝居の脚本です。当時は心中が大ブームだったそうで、このお話(短編集なのですが)もかなりの確立で男女が心中します。超えられない障害を前に苦しむ男女の悲劇的な姿には胸を打たれます。どれも異なったシチュエーションなので、飽きることもない。
最後の「国性爺合戦」の、勧善懲悪アクションストーリーは見ものです。

■「星の王子さま 最後の飛行」
星の王子様の作者であるサン=デクチュペリと兵士の友情を描いた実話。作者の感想を省き、真実を如実に記してあるので、本当にノン・フィクションなんだなぁと衝撃を受けます。奇跡ってあるんだなぁという感想を持ちました。

■「大麻入門」
日本では、大半が薬物としてしかしられていない大麻の、健康的な側面に迫った実用書。医療大麻、世界各国での大麻の扱われ方、大麻が禁止になるまでの歴史的考察などが書かれてあります。
大麻を吸ったときの身体の状態がどうなっているのか、ということを期待して読んだのですが、嗜好大麻についてはあまり触れられていませんでした。しかし、知られざる大麻の一面が分かって、今後日本の大麻の扱い方を考えさせられます。ぜひ一読。

■「月の砂漠をさばさばと」
北村薫さんのハートウォーミングな小説。主人公は9歳のさきちゃん。すべて小さい女の子であるさきちゃんの目線で書かれているので、難しいことは書かれていないにしても、さきちゃんの目の付け所がユニークで楽しめます。短編をまとめた本なので、空いた時間に一話ずつサクッと読めます。親子で楽しんでいただきたい一冊。


20090621 //

■「普通の女の子として存在したくないあなたへ」
村上龍さんのエッセイ。タイトルがとても魅力的だったので読読。 普通の女の子に向けたメッセージが書いてあるのかと思いきや、殆ど龍さんの好きなキューバ音楽と映画の公開記者会見の記録でした(笑)
まさかのタイトル詐欺でした……。内容もちょっと毒舌入ってて、あんまり楽しめるものじゃなかったしなぁ……。ワイルドな村上龍さんの考えを知りたい方はとりあえず必読!

■「ミュージック・ブレス・ユー!」
津村紀久子さんの小説。音楽ネタがたくさん入ってます。主人公は高校三年生の、進路に迷っていると思いきや、結構呑気なパンク少女。とても個性的なキャラクターが次々出てきて、現代の高校生の描写がとても自然。共感できるところがたくさんありました。淡々とした書き方なんだけど、しっかりと人間の動向を捉えているところで、この作者さんの観察力の凄さを伺えます。
どうでもいいけど、わたしもヘッドフォン欲しくなった(笑)

■「ファミリーポートレイト」
桜庭一樹さんの家族をテーマにした小説。以前この本について作者さんがインタヴューを受けている記事(ダ・ヴィン・チ)を読んだんですが、桜庭先生によれば「“私の男”(直木賞受賞作)のキャラクターたちを作り変えて書いた」そうです。
なるほど、確かにキャラクターの設定や性格が、前作に類似している点がある。前作を読んでいる人間としてはすんなりとその世界に入る事ができました。第一章で早くも泣きそうになったんですが、全体を通してみると少し前作を引きずり過ぎているような気がしないでもなかったです。後半から作者自身の体験談的な特殊ネタも入っているので、とても描写がリアルだなぁと思いました。とにかく壮大な作品です。是非一読。

■「わくらば追慕抄」
朱川湊人さんのわくらばシリーズ第二弾。
昭和中期の情緒を感じさせる時勢ネタがもりだくさんでした。回顧録っぽくなっていて、全体的にやさしい雰囲気。朱川さんの他作品と比べると、残酷な話は元から少ないほうだとは思うんですが、さらに前作に比べると少しギャグっぽい軽さがあったかな。姉妹の会話がとても可愛くて、心が癒されます。レギュラーキャラクターが固定化していって、さらに次回作が楽しみです。
そして、この作品で神楽さんのカッコよさに気づいた。
前まではそんなに時めかなかったんだけどな(笑)


20090721 //

■「初恋」
ツルゲーネフの代表作の一つ。話によると二葉亭四迷がこの話に感化されたんだとか。
大衆に知れ渡っている本のわりにはページ数がそんなになく、サクッと読めました。しかし内容は濃密で、主人公の感じる怒りや悩みや苦痛の描写がとても的確でびっくりしました。初恋ってそんなにたいそうな物だったのか! と思うほど、残酷な感情が、最終章近くでほとばしるように書かれている。
ただ、裏表紙のあらすじは絶対、読まない方が良い。ジナイーダが誰に恋をしているのかを推測していくのも一つのこの本の楽しみだと思うのです。

■「文章読本」
丸谷才一の文章を書くための極意が記された指南書。様々な小説の引用があり、実践的な物書き技術が記されていました。何十年も前の本なのに今でも頷けるような新鮮味の溢れた内容です。文章を上手に書くための、根本的な学びはいつの時代も変わっていないみたいです。
この本は、小説を書く人のためというよりも、作文を上手く書くための本なのですが、物書きさんにも通用する題材がたくさん。またこれから文章に挑戦しようと思っている方にもオススメです。

■「田園の憂鬱」
佐藤春夫の大自然をテーマにした小説。最初の方は生き生きとした植物のエネルギーが新鮮味溢れる文体で書かれているのですが、途中から一気に変容します。主人公をとりまくおどろおどろしい猜疑や幻覚、そして最後には……。
面白い文章表現を求めている人、面白い内容を求めている人両方におすすめ。

■「月光スイッチ」
橋本紡さんの大人向けライフ&ラブ小説。最近知ったのですが、この作者さんはライトノベルも書かれる人みたいです(そちらがメインなのかな)。
全体的にほのぼのとしたタッチで和むのですが、主人公の女の子が頭の軽いタイプの子なのでたまにイラッともします……(笑)
あと寂しかったのが、名前だけ出てきたのに、あまり話に深入って来ない登場人物が多かったこと。色々な設定のあるアパートの方々にもっと出てきて欲しかったです。
不倫の話なのですが重苦しくなることもないので、どろどろした恋愛事情が苦手な方もサラサラ読めます。息抜きに一冊どうぞ。


20090811 //

■「体は全部知っている」
よしもとばななさんの短編集。よしもとさんの小説は一通り読んだかなと思っていたのですが、見落としていました。20ページ以内の短編集がたくさん詰まっていて、そういえばタイトル通り少なからず体のことが関係している話ばかりだと思いました。例えば「ボート」という話にある通り、記憶になくても、体がその時のできごとを記憶しているということは結構日常的にあると思うのです。
この短編集の中でも一番印象的だったのが「ミイラ」。わたしと年齢の近い主人公のお話だったので、冒頭部分は共感できたし、話の内容も独特でおどろおどろしい雰囲気が漂っていたので強烈でした。

■「新・書を捨てよ、町へ出よう」
寺山修司の指南書(?)または人物評(?)または突撃・非公認団体インタビュー(?)。
寺山修司というと、詩や文芸や演劇で様々な分野において天才と謳われている人ですが、今まで全然作品に触れたことがなかったので読読。なんとも独特な文体から始まる家出入門やエロティックな小噺はすごく楽しめました。世界観がほかの作家には見られない、カッコいいものだなあと思いました。戦争を語り継ぐことを、すべからく大事なこととは書いておらず、公平な立場からの鋭い意見が光っています。この人が天才だといわれる謂れが、少しだけ分かる気がする一冊。

■「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
桜庭一樹さんの旭川を舞台にした痛切な小説。七竈という美貌を備えた少女を取り巻く七人の大人の、それぞれの立場や考えがとてもビビッドに描かれているところがこの小説のポイントの一つです。毎回、桜庭先生は登場人物たちの関係性がすごく明確に書いていて、読みやすいし並大抵の力量ではできない芸当だなぁと感心します。今回の作品は特にその辺りが際立っているんじゃないかな。
七竈のいんらんの母の視点から見た話に泣かされました。同じ女性として、優奈とその母親の、母子関係に、はっと気付かされるところがあります。


20090908 //

■「愛は束縛」
フランソワーズ・サガンの冷えた夫婦仲を描いた恋愛小説。わたしの中でサガンの地位が確たる物になった一編です。とにかく人物描写がリアル過ぎて恐い。わたしはリアリティーのある人間を描ける作家こそが素晴らしいと思っているので、その点から見ても申し分ない出来栄えでした。
パリの風情も所々感じられて、小説と言うよりは一編の恋愛映画を見ているような感覚に近いです。予想だにしなかった衝撃的な結末は、「悲しみよこんにちは」にしても、サガンの十八番なんでしょうかね。これから他の作品も読んでいきたいです。

■「?東綺譚」
永井荷風の束の間の女との逢瀬を描いた代表作。初・永井荷風でした(何)。わたしは耽美派が好きだけれど、谷崎潤一郎しか読んでこなかったので、耽美派というジャンルを築き上げた人の作品が読めて良かったかも。内容は、浅読みしすぎたせいか少しばかり意味不明だったんですけど、雨が作る閉鎖的な空間の中で主人公と女郎のやりとりが幻想的でした。正統派の恋愛ではなく、主人公を郭にやってくる一人の客と設定しているところが良いです。

■「本日サービスデー」
朱川港人さんの清清しい話を取り揃えた短編集。朱川さんの作品にしてはハッピーになれるお話ばかりでびっくりしました。最初のほうはやはり朱川さんの作品の傾向はおどろおどろしいものばかりだったので、対応に困りましたが、読み進めるごとにその作品の世界にどっぷりハマりこんでしまうところは朱川さんの上手い語り口があってこそだと思います。特に一番最後の短編「蒼い岸辺にて」が面白かったです。

■「おろち」
嶽本野ばらさんの楳図かずお先生原作の小説。昨年9月に映画になりました。グワシの方じゃないです(笑)。
 内容は楳図さんのどろどろした世界観が嶽本さんらしいゴシックな世界と混ざり合ってすごくお洒落な雰囲気に仕上がっていました。マンガ原作でも洋服や部屋や武器の描写が恐ろしく精細な、嶽本さんらしい文章だなぁと思いました。若干嶽本さんのゴシック・ホラー「鱗姫」とテイストが似ています。ただ、原作の方でもあまり触れられていないのか、‘おろち’の正体について若干理解しづらい場所もいくつかあったので、ここは原作を読んで補ってからの方がいいのでしょうか。とにかく、設定も結末も衝撃的。


20091105 //

■「砂の女」
友達に薦められたので読んでみました。初・阿部公房。
ああ、好きな人はマニアの域に入るくらい好きになるような作家さんだなぁと思いました。根強いファンが多いのも納得できます。
「砂の女」に限った話をすると、まず現実ではありえないような設定なのに、あたかも現実に起こっているように精密に描写されている。精密であるところは本当に細かく記されてあるんだけれど、主人公の目に映らない部分は全く描写されてなくて、描かれていてもとくに精密ではない、その陰影の付け方がウマいなあと思いました。
ただ自分的にはあんまり好きな書き方ではないなぁ。感覚が鋭い人とか、割とハッキリと物事を捉えることができる人には楽しく読めると思います。

■「サガン―疾走する生―」
尊敬する作家、フランソワーズ・サガンの伝記小説。書いているのはサガンではなくて、フランスの人(笑)なんですが、サガンの友人のインタビューも交えたファン必見の小説です。おそらくサガンの友人たちの生きた証言を交えた本はこれが最後なんじゃないかなぁ。小説のようなノリで読めてしまいます。サガンはわたしが憧れる生き方をする女性の一人です。とてもオススメ。

■「逃げ道」
フランソワーズ・サガンの田舎を舞台に繰り広げられる男女の心の成長の物語。後年に書いた小説らしいです。割とギャグ要素が強いのかもしれない。解説に書かれているとおり、サガンはこれを知人たちに読ませながら、笑いのツボを研究しつつ推敲を重ねたらしいです。上流階級に暮らす男女と、お洒落のかけらもないフランスのど田舎の組み合わせがとてもちぐはぐで、コメディーが大部分にあるけれど、男女の情熱や最終局面での悲劇的な展開が見所です。悲劇、という言葉が似合わないくらい面白く読める話ですが、最後の一ページにご注目。

■「都会の憂鬱」
佐藤春夫の「田園の憂鬱」の続編。「田園の憂鬱」から主人公と妻が帰郷し、東京に戻ってきたところから話は始まります。佐藤春夫は近代小説を代表する作家の一人ですが、わたしは特にファンというわけではありませんでした。「田園の憂鬱」も読んだけれど、サガンのように感動することもなかったし。
ただ、佐藤春夫よりも、彼の書くあとがきに惹かれました。「田園の憂鬱」の最後に掲載されている作者のあとがきを要約すると「最初は頑張って書いてたけれど、途中からよく分からなくなって前半と後半がちぐはぐで微妙に失敗した感がある。次回“都会の憂鬱”という話を書くつもりだから、読者諸君はそっちの方に期待してほしい」とのこと。これは「都会の憂鬱」もちゃんと読んであげないといけないなと思いました(笑)
「都会の憂鬱」、話の内容的にはニートと化している主人公が、妻の稼ぎに期待していないと失礼なことを言ったり、売れない作家と交友を深めているけれど心の中で見下していたり(だけど自分は小説書きのくせにあんまり物を書いていない)、人間関係や感情表現が妙にリアリスティックで深かったです。中でも作者の飼っている犬、「レオ」と「フラテ」の描写が自然体で可愛いです。
余談ですが、わたしは「都会の憂鬱」よりスピリチュアル要素を備えた「田園の憂鬱」のほうが良い出来だったと思うのですが。

■「ももこのおもしろ健康手帳」
さくらももこの健康を題材にした対談本。健康マニアで知られるさくらももこさんと編集者のミルコさんの対談形式で、サプリメントやローヤルゼリー、飲尿のことなどを面白おかしく語っておられます。本を読む限り、さくらももこさんはかなりの健康食品を研究し、体の各器官から化粧品まで、体に良いものをものすごく摂取しているようです。10年ほど前の本なので、今の健康食品界の事情は変わってきているのかもしれませんが、ギャグ本としても楽しめると思います。
こういう本を定期的に出してほしいですね。

■「快楽殺人の心理―FBI心理分析官のノートより―」
「羊たちの沈黙」に出てくるFBI捜査官のモデルにもなった人物、ロバート・K・レスラー元FBI捜査官の専門書。快楽殺人というのはウィキペディアさんによると↓

快楽殺人(かいらくさつじん)とは、何らかの快楽を得る目的で行う殺人のことである。性的快楽を目的とした場合は、セックス殺人と呼ばれることもある。また、世間一般的に多くの場合、殺人の目的は怨恨や金銭目的であるとされているため、異常殺人と呼ぶ者もいる。

らしいです。内容は実際に全米を震撼させた連続殺人犯の例、彼らに殺害された被害者の発見当初の状態などが詳細に書かれています。
日本の殺害事件に比べると、殺害方法や被害者の人数は比べ物にならないほど過激で、あたかも犯罪ドラマをノベライズした本のように感じますが、すべてノンフィクション。さすがアメリカ! と言わざるを得ません。
なんとなくこの本を読んでいるうちに、快楽殺人を行う人々は生まれた瞬間に何かそういった遺伝子が組み込まれている、育った環境にかかわらず、一般と呼ばれる人たちとは一線を画した要素をすでに持っていて、どんなに然るべき刑を受けても治るようなものではないんじゃないかなぁと思いました。個々の顔の形に似ているような気がします。成形という手段も最近ではありますが、どんな環境に置かれても、表情のベースは生まれたばかりの赤ん坊の頃から形作られているので、変えようがないですよね。快楽殺人を行う人々の心理は、そういう生まれもってのものと同じように感じました。
犯罪心理は本当に興味深いです。以前、ロバート・K・レスラー著の「FBI心理分析官」という本を読んだのですが、ほかにシリーズが出ていたらぜひ読んでみたいです。
アメリカと違い日本ではまだ目立っていないジャンルのように思いますが、日本でも少しずつ犯罪心理の研究が表立ってくれば良いと思っています。


20100203 //

※2009年12月〜2010年1月にかけて読んだ本。

■「ヘヴン」
川上未映子の三作目。いじめられっこ二人の友情の物語。
川上さんの作品はいじめの描写がリアルで(「わたくし率〜」の主人公も確かいじめられていた)読むのも痛々しく思っていたんですが、この話は途中で感動して泣いてしまいました。
全体的にきれいにまとまっていて、伝えたいメッセージが切々と響いてきました。
小説で珍しく、「これは真理だな」って思えるような作品。コジマのセリフがところどころすごくいい。
しいて言えば、きれいにまとまりすぎていて、川上さん独特の語り口調というか、言葉の勢いが若干そがれてしまったかな。新鮮味には掛けるかもしれないけど、でもわたしはこの話が好きです。

■「下町」
林扶美子の下町他四編が収録された短編集。
下町の初版は1957年だそうで(没後に発見されたらしい)、少なくとも今から50年以上前に書かれた話なのに、まったく古臭くない。古臭くないというよりはすんなりと文章が頭に入ってくる読みやすさがあります。後世に読み継がれているのも納得がいく。人々の考えの根本はどの時代も同じなんだなと思います。
四編の作品が収録された短編集を読んだのですが、中でも衝撃を受けたのは「折れ葦」という作品。どんな男にも愛されなかった一人の女の自伝っぽい語り口調の小説(自伝ではないです)なんだけど、読了後何も言えなくなるくらい濃密です。短編なのに、女の四十年の生きざまを傍らで見守っているかのような、臨場感を持って読めます。

■「宮沢賢治(ちくま文庫)」
宮沢賢治の代表作が収録された短編集。宮沢賢治の童話は可愛くて好きです。猫や鳥とごく自然に会話が成り立ってしまうところなんて、とてもメルヘンじゃあ、ありませんか。お話となる時間帯が昼よりも夜が多いのも、すごく好き。
数多く収録されたお話の中でも特に「セロ弾きのゴーシュ」が好きでした。宮沢童話の中でも有名なお話なので、読んだことはなくても粗筋だけ、知っていらっしゃる方も多いはず。この話も時間帯は夜。しんと静まりかえった夜にしんみりとしたセロの旋律が聞こえてきそうで、心が落ち着きます。最後が少し切なくなる。
他に「猫の事務所」、「グスコーブドリの伝記」が好き。

■「芥川龍之介(ちくま文庫)」
芥川龍之介の短編集。以前違う出版社で芥川龍之介の短編集を読んでいたので、話のいくつかは読んだことがあったのですが、もう一回読読。
近代文学なぞ高校後期まで全く読まなかったわたしでも、芥川龍之介はなぜか中学生のころから好きでした。教科書に載ったりしていたからっていうのもあるけれど。まったくの純文学ではなく、地獄や狂人や魔術が取り入れられているからでしょうかね。そういった理由で江戸川乱歩もおもしろかったです。
芥川龍之介は、やっぱり文章がうまい!「杜子春」なんかは内容もすごく良かったので、空いている時間に弟に読み聞かせてみたんですが、言葉が詰まるところなくすらすら語ることができ、芥川の日本語選びのセンスを思い知らされました。わたし的に「地獄変」がすごく好き。あれは結局どう解釈したらいいか迷ったけれど、お話の結末から言ったらすごく悲しい話。ああいう雰囲気のものが好きです。あとは何といっても「河童」。ブラックジョーク過ぎて楽しい。

■「ブルースカイ」
桜庭一樹の長編小説。これを読んだあと二週間くらいずっとショックが続いていたなぁ。
全体が第三章に分かれていて、時代背景も人種も全く違う三人がそれぞれ主人公。毎度ながら、斬新な小説技法はさすが桜庭一樹さん。読者をはじめから物語の中に引き入れて、一寸も飽きさせない工夫が毎度すごいなぁって思います。桜庭一樹の小説は今のところ、家族をテーマにした近年のもの(「私の男」「ファミリー・ポートレート」「少女七竈と七人のかわいそうな大人」)しか読んでいなかったから、違う雰囲気のものに触れられて良かったかも。女子高生の感情や行動が、世間の持つイメージから想像させた作り物ではなくて、あたかも誰かをモデルにしたような生々しさが女子高生好きのわたしとしては感動しました。
ただ、第一章では女の子の視線から語られる物語だから仕方がないとは思うけれど、結構書ききれていない部分があって、ちょっと置いてきぼりにされた感はあったかな……第一章だけ番外編みたいなものを作ってほしいなと思いました。ってか、本当作って!! とにかく素晴らしい話!!

■「イン・ザ・プール」
奥田英朗の精神病院を舞台にした痛快コメディー。最近深夜枠でこの話の続編「空中ブランコ」の題でアニメがやっておりまして、その色彩や発想の素晴らしさに原作も読んでみました。
うーん、アニメの方が奇想天外すぎて、若干物足りない感じはしたかな。アニメの方は一話一話の内容の本筋はそのままでも、主人公・伊良部のキャラクター設定が清々しいくらいいじりまくっていて若干ラリったようになっちゃってるんで(そこが素晴らしいんだけど!)、アニメを見たあとの原作は地味な感じはしたかな。相変わらず内容は面白かったです。大人から子供まで読める大衆小説!って言う感じが好きだな。
そういえば「イン・ザ・プール」は松尾スズキが主演で実写化されていたんですね!今年からは原作同名「空中ブランコ」名義で阿部寛を主役で実写ドラマ化するみたいだし……、さまざまな役者さんが演じて、アニメにもなった伊良部医師の違いを楽しむのもまた一興かと思います。
余談ですが、アニメ版のマユミちゃんかわいすぎ! ほとんど実写、ごちそうさまでした!!

■「ある微笑」
フランソワーズ・サガンの二作目の小説。ちょうどサガンがわたしと同い年くらいに書いた小説だそうで、そういえば主人公もわたしと同じ二十歳だとか。いろいろ共感できる部分がありました。
サガンの小説はいくつか読みましたが、どれも主人公が恋をする男の人が素敵です。直情的だったり、大人だったり、あるいは優しいお父さんだったりもするんですが、みんな男の魅力みたいなものをかもしだしていまして、どれも読者をハッとときめかせるような一瞬が必ずあります。サガンは読み手の女の子を惹きつけるような、理想的な男性像を違和感なく現に織り込ませられるところが素晴らしいと思います。
今回の作品主人公・ドミニクは、自分の年齢の二倍年上の四十男・リュックと不倫するんですが、やっぱりリュックはかっこよくて読んでる間中惚れ惚れしました。ストーリーは、パリを知らないわたしとしては、自然な流れなのか不自然な流れなのかよく分からなかったんですけど、主人公の感情描写にはとても共感できました。十代とか二十代の女子は読むべき。

■「尾崎翠(ちくま文庫)」
尾崎翠の短編傑作集。おもに代表的な小野町子関連の物語が入っています。尾崎翠の小説は初めて読んだんですが、とてもカワイイですね。初恋というか、甘酸っぱい匂いが漂います。代表作「第七官界彷徨」では恋といえるかどうかの瀬戸際な恋模様が展開されていて全体的に少女漫画っぽい様相を呈しています。何十年前の作品とは思えないほど設定や小物類、登場人物が新鮮。現代で映画化や漫画化しても良い感じ。
「第七官界彷徨」だけについて述べてしまいますと、赤いちぢれ毛がネックの小野町子が医師や植物学生の兄たちと音大受験生がいる家に居候してくるお話。キャラクターが皆個性的で至る所に芸術的要素があふれています。
なんとなく森ガールという言葉を匂わせるような作品。過激な表現や話の展開は一切ないので、そういうリアル感を求める方にはおススメできませんが、ふんわかした、それこそ「第七官界」で小説を感じたいという方は一読してみると良いかもしれません。ちなみにわたしはすごく尾崎翠が好きになりましたよー。

■「江戸川乱歩(ちくま文庫)」
江戸川乱歩の短編集。乱歩お得意の怪奇小説から明智小五郎の探偵小説、また映画に関するエッセイなど様々な乱歩の作品を取り上げている作品です。今まで江戸川乱歩を読まず嫌いしていましたが、いざ読んでみるとなると予想通りおもしろかったです。面白いってわかっている作者をどうにも読まず嫌いしてしまうのです。今でいう「世にも奇妙な物語」的な話を主としている人なのかなと思いますが、何分この短編集以外を読んだことがないので強く言えません。怪奇小説的な話が嫌いな人でも明智小五郎シリーズは純粋なミステリーですので、楽しめるかと思います。
現代の娯楽小説に勝るとも劣らない、やっぱり乱歩はすごいなぁと思いました。怪奇的な小説は朱川湊人以外あまり読まない方なんですが、今度乱歩をきちんとした全集で読んでみたいと思いました。
それと明智小五郎シリーズはもっと読みたい。エンターテイメントを求める人はぜひ一度江戸川乱歩をおススメします。


200100220 //
■「寺山修司(ちくま文庫)」
寺山修司の短編傑作集。寺山さんの本は「書を捨てよ、町へ出よう」を以前読んだことがあったので、幾つか被っている話も多かったのですが、改めて読み返してもやはりこのお方は天才ですね。「天才」っていう簡素な言葉で片付けてしまいたくないくらい、本当すごい人。いったい本職が何か未だ分からないんですが、生き方自体が職業みたいな感じがしますね。wikiさんでちょっと調べたところ「本業を問われると「僕の職業は寺山修司です」とかえすのが常だった。」そうですよ。かっこいいですね。本の中からそのまま出てきたかのような人だと、勝手に想像してます。
最初から嘘とも冗談ともつかないエッセイで始まる本作。本当に、どこまで寺山修司なのかよく分からない。彼の作品の中で現実と幻想の間のことを「半世界」と呼ぶそうですが、まさしく寺山修司の本が「半世界」な感じがします。自分的には「毛皮のマリー」が好き。芝居の脚本なんですが、ぜひ芝居でもこれは見てみたい。
読んで損しないと思います。

■「孤笛のかなた」
上橋菜穂子の和風ファンタジー小説。中学生の時に読んだんですが、ちょっと人物関係が複雑でわけのわからないまま読み終えてしまったので、もう一度再読。
人物設定や関係は剣と魔法の西洋ファンタジーと変わらないにしても、すべてが和風にアレンジされているところが面白かったです。登場人物のセリフが余すところなく和風! って感じで好きでした。色々な人物の立場から描かれていますが、あまりモノローグは書かれておらず、淡々と話が進んでいきます。歯切りがよくて読みやすい! ただ登場人物がとても多いので、気を抜いて読むと混乱するかも知れません。
美しい表紙絵や挿絵と合わせてどうぞ。

■「イルカ」
妊娠〜出産を題材にした、よしもとばななの小説。こちらは高校生の時に読んだんですが、もう一度再読。
複雑な男女関係のナイーブなところをすごく細かくとらえていて、毎度ながらよしもとさんはすごいなぁ。
出てくる登場人物にさほど細かい設定は描かれていないように思うのですが、誰しもが持っている人間の特徴みたいなものが登場人物ごとに際立っていて、出てくる人みんな自分じゃないかと錯覚するくらいリアルです。
よしもとばななさんの最近の作品の中ではこれが一番好きかな。生命って素晴らしいですね。

■「カモメに飛ぶことを教えた猫」
ルイス・セプルベダさんと言う人の書いた児童書。キャッチフレーズは「8歳から88歳までの若者のための小説」らしく、大人から子供まで誰でも楽しめる作品でもあります。基本的に子供向けに作られているので、登場人物の猫たちの関係や話の筋は複雑ではないんですが、挑戦することへの勇気というテーマが話の中では一貫しているので、とても読みやすい。話も各章ごとに分かれているので淡々と読み進められるのです。普段そんなに読書をしていない人でも楽しく読めると思います。主人公の黒猫・ゾルバのハードボイルドに惚れること間違いなし。

■「D-ブリッジ・テープ」
沙藤一樹のデビュー作。近未来の横浜が舞台のサバイバルストーリー。好きな作家さんなんですが、毎度ながらこの人の本は読み始めがとても斬新です。話の展開も今までになかった感じ。
主人公の独白で話が進んで行くんですが、一人称と殆どがカギカッコの文章でよくこんなに奇妙な作品が書けたなぁと脱帽。読者に伝えたいメッセージというものが表面的には何もないんですが、だからこそ深読みをする楽しさが出てきくるというもの。
グロテスクだし、カニバリズム的な行為もあるので、バイオレンスが嫌いな方にはお勧めできませんが、暇な方はぜひ読んでみてください。この作家さんの本自体、書店や古本屋でもあまり見かけないですが頑張って探してみて。


20100318 //
■「尾崎翠全集・上」
林扶美子と並ぶ女流作家、尾崎翠の全集上巻。
ちくま文庫で以前尾崎翠を読んでから、どうにも気になっていた人だったので、全集を読んでみようかと思いました。江戸川乱歩とか芥川龍之介の全集になると、十数巻にも上りますが、こちらは上巻・下巻の二冊だけなので読み終えるの楽だしね。
「新嫉妬価値」とか「第七官界彷徨」などの有名どころはちくま文庫で読んでいたのですが、詩や掌編などの文庫版にピックアップしづらい作品までくまなく拾えて良かったです。相変わらず尾崎翠の書く話は可愛らしい。「当時の文学界には早すぎる作品」なんて言われていたそうですが、確かに今読んでも全く古くないし、むしろ現代の少女たちの趣向にぴったり当てはまっているような感じがします。オサレでわたしは好き。

■「殺戮にいたる病」
我孫子武丸のサスペンス小説。我孫子氏の小説は初めて読んだんですが、きっかけは「かまいたちの夜」というゲームのシナリオをこのお方が書いていたからです。弟が買ってきた文庫本だったんですが、わたしが先に読んでしまった。
犯人が逮捕されるエピローグから始まる書き出しが斬新。一瞬、我孫子がエピローグとプロローグを間違えたのかと思いましたが、すべては計算通りみたいです。
ネット評論では、「残り5ページで世界が逆転する」みたいなことを言われていますが全くその通りで、細部まで綿密に練られたストーリーに目が釘付けでした。波に乗ってきたら一気に読めてしまう小説。
ただ、犯人が快楽殺人者なので度々グロテスクでエロチックな描写が出ます。苦手な方は読まない方が良いかも知れません。

■「堕落論」
坂口安吾の痛快評論小説。結婚に対しての批判や宮本武蔵の考察、そして堕落することへの肯定的姿勢。
世間の常識を覆すありとあらゆる意見が論理的な根拠の元に展開されてゆきます。今でこそ結婚というものにウェイトをかけなくなってきましたけど、当時にしては坂口安吾のような考えの人はほとんどいなかったんじゃないかなぁ。調べたわけじゃないけれど。
そういう意味でこの本が発表された昭和20年代当時は、すごい衝撃作だったんじゃないだろうか。
どちらかというと近代文学に分類される坂口安吾だけど、「堕落論」は今読んでこそ納得できる内容になっていると思います。現代の指南書を読んでいるような気分のなかに「この前太宰治がこんなことを言っていたんだが」みたいな文を見つけると、太宰治が今なお健在しているかのように思えて面白い。


20100330 //
■「ドグラ・マグラ(上)」
夢野久作の奇書。日本の三代奇書に数えられてるそう。大学の先生にすすめられたので読んでみました。
内容的には精神異常者、狂人のミステリー。
半分が作中に紹介される論文の引用やら新聞の引用やらで終わってしまった……。
うむむ……エキセントリックなのは分かるし、出てくる論文「胎児の夢」の理論も分からないことはないんですが、別にこれといって衝撃を受けるような箇所はなかったな(爆)
後編で精神を狂わされるんでしょうか……。

■「都会のトム&ソーヤ7 怪人は夢に舞う〈理論編〉」
言わずとしれた天才中学生二人のゲーム制作奮闘記第7弾。
久しぶりにはやみねさんの文章に触れた!やっぱり児童書は良いですね! 最近頭の固い文章ばかり読んでたから、内人と創也の何気ないやりとりがいちいち楽しい。
今回はいつもよりイベントが多いような気がしました。場面や登場人物の視点がよく代わるけど、頭がこんがらがらずに読めるのは、さすがはやみねクオリティ!
今回も次回に繋がる伏線が多く、今まで以上に次回作に期待がかかりますねー。

■「愛と同じくらい孤独」
フランソワーズ・サガンのインタビュー集。これがサガン初のインタビュー集なのかな。
フランスの雑誌に載せられたサガンのインタビューの記録が、より読みやすくまとめられています。本によると、分かりやすく改変したのはインタビュアの記者の質問のほうで、当のサガン女史のアンサーは殆ど改変されておらず、明確に当時のサガンを知ることができます。
自信の小説に関して、デビュー当時の心境、愛、友情など、サガンの創作の原点がここに……!

■「世界の涯まで犬たちと」
アーサー・ブラッドフォードという作家さんの短編集。
題名のとおり、犬とその飼い主にまつわる話が多いのですが、どれもエキセントリック!
今年に入って読んだ本の中でも1、2を争うくらい才気ばしった本でした。
数ページの中に濃密な世界があって、どの話もハズレがない。丹精に練られています。
基本的にどの話の中にもアンニュイな空気が流れているけれど、読み手を退屈させないほど文章力や想像力が溢れてる。わたしの愛してる空気感みたいなものがこの短編集にありました。
ぜひ読んでください。たぶん最初の短篇で、すぐに好き嫌いが別れると思うけど。

わたしもいつかこういう空気を正確に書けるようになりたいわぁ〜

■「エミリーの記憶喪失ワンダーランド」
大好きなエミリー・ザ・ストレンジの初・小説本。めったに買わない本屋で購入したリッチな一冊です(笑)
無敵でクールな女の子エミリーが記憶喪失になっちゃった。書き出しから臨場感があって、とってもストレンジ。読み始めたら、休む間もなくどんどん読めてしまいます。テレビゲームをしているような感覚に似てる。
ストーリーが細部まですごくよく練られていて、伏線の多さに感動。エミリーはやっぱりクールで無敵だと分かる本。一人称で話が進むので、絵本ではよく分からなかったエミリーの性格やプロフィールがエミリーの声でもって語られていきます。
カッコいい装丁、カッコいいイラストと合わせてどうぞ。



2009年5月10日〜2010年3月30日